バイステックの7原則とは

バイスティックの7原則とは

バイスティックは相談援助技術の基本的な姿勢として有名な原則です。

以下7つの原則について

〇個別化の原則

・クライエントを個人としてとらえる。

・個人が抱えている課題等は、その人特有のものとして捉える。

例えば、Aさんの行動は、以前Bさんにもみられた行動なので、Bさんと同じように対応しようとしてはいけません。人それぞれに様々な異なる背景や、人生の歩みがあることを理解し、その人特有のものとして捉える姿勢が重要です。

〇意図的な感情表出の原則

・クライエントの持つ感情を大切にする(涙や怒りも含め)

例えば、怒りに関して言えば、衝動というものをなくすのではなく、別な形で発散させてあげるという視点もあります。涙に関して言えば、グリーフケアではまず涙を流す、嘆くことが大切と言われております。

〇統制された情緒的関与の原則

・援助する際は自分の感情を自覚して、吟味する

自分自身についてあらかじめよく知っておくことで適切な援助姿勢を保つことができます。また、感情をうまくコントロールすることで状況をよい方向に転換することもできます。

〇受容

・あるがままに受け入れる(尊厳)

共感的姿勢をもって、相手を尊重することを大切にします。ただ気を付けなければならないのはそれが非人道的なものや危険に及ぶものである場合は当然単に受け入れることはせず、適切な対処、対応方法へ移ります。特に「命」は何よりも大切です。

〇非審判的態度の原則

・クライエントを判断しない、批判的な態度で接することはしない

自己決定の原則があるように、クライエント自身に気づきを生み出すような対応が求められます。こちらから指示的、指導的な態度はとらず、クライエントが置かれた状況など丁寧に分析しそれを相手に伝えます。

〇自己決定の原則

クライエントの自己決定を促す

クライエントの自己決定を大切にします。自分で選択し、それに向かって進むことの方がそうでない場合に比べ効果的です。人間のもつエネルギーを信じることも大切です。

〇秘密保持の原則

・秘密を保持する(信頼関係を損なわないためにも)

倫理要項にも当然個人情報の重要性は規定されておりますが、それ以前にクライエントの信用を損なうようなことはしないということです。

以上がバイスティックの7つの原則になります。

これらは相談援助のみならず、日々の援助においても有効なので基本的な姿勢として押さえておくことが重要です。

バイスティックに関連する書籍・論文

バイスティックと言えば「ケースワークの原則」です。

ケースワークの原則(新訳改訂版)援助関係を形成する技法 ~ アマゾン

バイスティックの7原則のみならず、援助関係についてもっと深めたい方は是非読んでみてください。

ちなみにバイスティックの出版の流れとしては

・アメリカの社会福祉学者(1994年、82歳で亡くなられる)

・ロヨロ大学から「The Casework Relationship」を1957年に出版

・日本では、1965年田代不二男、村越芳男が「ケースワークの原則」と翻訳出版

・1996年、尾崎新らによって新訳版が出版される

このようになっております。

参考:「バイスティックの7原則」を現代から考察する―継承と発展を鍵概念として―山本裕子

http://repository.seinan-gu.ac.jp/bitstream/handle/123456789/986/hs-n9v2-p167-178-yam.pdf?sequence=1&isAllowed=y

この論文では、バイスティックについてわかりやすくまとめられております。

私がこれをみて知ったことは「7つのニーズと7つの原則」といったように、実は「7つの原則」を捉える上で「7つのニーズ」があるということです。

またバイスティックの言葉から、COS後、キリスト教を出発としてケースワークが発展していったことを捉えていることも興味深いです。

以下引用です。

ケースワークにおける援助関係の本質を説くバイスティックの言葉には、タファーを用いた興味深い表現が多い。

例えば、

・援助関係はソーシャルケースワークの魂(Soulである。(原著まえがき)

・ケースワークにおける援助関係は生命があり鼓動しているa living, pul-sating thing。そして、それらがバラバラにされた時、生命は傷つけられることになる。(同上)

・援助関係はまた、余すところなくケースワーク過程を流れる水路Can-nel)である。この水路を通して個人の潜在的能力と地域の資源を結集し、また、面接や調査、診断と処遇における技術もこの水路を通して進められる。(原著p4)

・言葉はある冷たさをもっているが、援助関係は温かみをもっている

また定義として

ケースワーク関係は、ケースワーカーとクライエント間の態度と感情による力動的相互作用である。そしてこの関係は、クライエント自身とクライエントの環境との間をより良く調整できるよう、クライエントを支援する目的をもつ。

バイスティックを知っている人は当然多いと思いますが

この記事を読んでもらった方は、もう1歩進んでバイスティックを捉えることができると思います。

そして当然これは自分自身にとっても大切にしていきたいと改めて実感させられたものでもあります。

最後にここにあった「7つのニーズ」を紹介したいと思います。

7つのニーズ

一つ目のニーズ

クライエントは、1つの事例(ケース)として、1つのタイプとして、あるいは1つのカテゴリーとしてよりは、むしろ一人の個人として対応されたいというニードをもっている

二つ目のニーズ

クライエントは否定的な感情と肯定的な感情の両方を表現したいというニードをもっている。感情には、恐れ、不安、憤り、憎しみ、自分の権利が侵害されているといった不公平感などがあるかもしれないし、またその逆の場合もあるだろう

三つ目のニーズ

クライエントは、たとえ人への依存や弱さ、罪や怠慢があったとしても、価値ある人間であり、生まれながらに尊厳を有する人間として受けとめられたいというニードをもっている

四つ目のニーズ

クライエントは、表出した感情に対して、共感的に理解して対応してほしいというニードをもっている

五つ目のニーズ

クライエントが陥っている困難に対して、審判されたり非難されたくないというニードをもっている

六つ目のニーズ

クライエントは、自分の人生に関する事は自分自身で選択し、決定したいというニードをもっている。クライエントは、周りから押し付けられたり、管理されたり(bossed、これをしなさいと言われたりすることを望んではいない。クライエントは指示ではなく、支援を求めている

七つ目のニーズ

クライエントは、可能な限り秘密や自分の情報を秘匿したいとするニーズをもっている

以上が7つのニーズになります。

これは流れとして

ニーズを出発点として、第1の方向、第2の方向、3の方向とありますので、論文の資料をみてもらえるとよりよく理解できます。

まとめ

いかがだったでしょうか

バイスティックの原則は基本的な姿勢として身に着ける(身に着けようとする、意識する)ことが大切です。

ただ原則について知っている人は多いですが

実はその背景には7つのニーズというものが存在し

ニーズを出発点とすることは、実はこんなところにも隠れていることを教えてくれます。

一人のニーズから始める

これがあらゆることにおいて非常に重要なのです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

皆さんも「一人のニーズ」「目の前の一人を大切にする」ことに目を向けてみてください。それができればきっと今までの世界観が変わることでしょう。

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