コミュニティワークについて

はじめに

地域福祉の推進が大きな課題として掲げられている中、コミュニティワークというものはこれからますます重要になっていくと思われます。

そこで今回コミュニティワークの基本ということで記事を書いていきます。

さっそく余談ですが

先日ブックオフにて坂田周一先生の「社会福祉政策」という本を見つけ即座に購入。坂田先生はウクレレ好きで社会福祉士国家試験の試験委員長を昨年度まで務めておりました。

岡村重夫先生の地域福祉原論や北島英治先生のソーシャルワークプラクティス、アイヴィのマイクロカウンセリング、バイスティックのケースワークの原則など読みたい本が山ほどあるのですが、いかんせんお金との相談です。

そんな中ブックオフで社会福祉やソーシャルワークの本を探していると、古い本ですが200円コーナーにたくさんあったので8冊ほど買いました。これはいいと思いました。仲村優一先生の本もありました。そのうち古本屋巡りをすることを誓いました。

さてそれでは本題に戻ります。

コミュニティワークとは

コミュニティワークとは

地域社会の問題を解決していく専門技術であり、計画立案や運営管理の技法をあわせもつ包括的な地域援助技術である。

地域福祉は今非常に重要となっております。

これからは2025年問題を皮切りに前例がない問題や課題がやってきます。

特に「地方消滅」は耳慣れたキーワードになったことでしょう。地域社会の問題にどう立ち向かっていくかは我々にとって重要なテーマとなっております。

コミュニティワークの源流は1920年代頃のアメリカにて体系化が図られた「コミュニティ・オーガニゼーション(community organization)」とのことです。

日本でも戦後にコミュニティ・オーガニゼーションが導入され、社会福祉協議会の在り方の方向性に影響を与えたといいます。

それでは確認していきましょう。

コミュニティワークの基礎理論

コミュニティワークとコミュニティ・オーガニゼーション

まずイギリスで発展した方法論として「コミュニティワーク」があります。

これは1960年代以降に「地域の生活問題に対し、社会資源などを整備して地域社会の対処機能を強化していくことを目的」として発展していきました。

一方でアメリカでは1920年代から「コミュニティ・オーガニゼーション」として同様の目的となる方法論が発展していきます。

そのため日本では「コミュニティワーク」と「コミュニティ・オーガニゼーション」の用語が併存しているとのことです。これらは理論的に同質か異質かを確定するには至っていないようです。

コミュニティ・オーガニゼーション

コミュニティ・オーガニゼーションはアメリカにて以下のように発展していきます。

・レイン報告(1939年)

レイン報告では地域社会のニーズと社会資源の結合・調整を重視するニーズ・資源調整説として体系化されたとのことです。

①ニーズの発見とその限定

②社会的窮乏と無能力をできるかぎり排除し予防すること

③資源とニーズの接合および資源の再構築

これらをコミュニティ・オーガニゼーションの目的と明確化することで、古典的定義として確立されました。

・インターグループワーク説(ニューステッター)

インターグループワークとは「組織間の協力や連携づくりを図る技術の一つ」とあります。

今でこそ「連絡調整、協働、連携」は重要なキーワードとされております。

地域社会の問題解決を目的とした協力体制の組織化を促進するために、機関・組織・団体間において連絡調整を図ることを方法論として提示したのはこのインターグループワーク説となります。

これによってコミュニティワーカーの役割が具現化されたとのことです。

・組織化説(ロス)

※注意:ロスマンではありません。(国家試験で頻出でしたね)

ロスはコミュニティ・オーガニゼーションを以下のように定義しました。

「地域社会がみずから、その欲求と目標の発見やその順位づけを行い、さらにそれらを達成する確信や意思を開発し、必要な資源を内部・外部に求めて実際活動を展開し、もって地域社会に協同的・協力的な態度と行動を育てる過程である」

このように住民の自発的参加とそれによる地域社会の統合を重視したとのことです。

ここでロスの13原則というものがあるのでみていきましょう。

ロスの13原則

①地域社会に現存する諸条件に対する不満は、必ず団体を開発および育成する

②不満の中心点を求め、特定の問題に関して、組織化・計画立案ならびに行動に向かって道を拓くこと

③コミュニティ・オーガニゼーションを開始し、あるいは支える力となる不満は、地域社会内で広く共有されるべきこと

④団体には指導者(公式、非公式両方共)として、地域社会内の主要下位集団に密着し、またそれから承認された指導的人物を関与させるべきこと

⑤団体は、その目標と手続き方法を真に受け入れやすいものとすべきこと

⑥団体のプログラムには、情緒の満足を伴う活動を含めるべきこと

⑦団体は、地域社会の内部に存在する善意を顕在的なものも、潜在的なものも、共に利用するよう心掛けるべきこと

⑧団体としては、団体内部のコミュニケーションならびに団体と地域社会とのコミュニケーションの両方を積極的に効果的に開発すべきこと

⑨団体は、協力活動を求めようとするグループに対する支持と強化に努力すべきこと

⑩団体は、その正規の決定手続きを乱すことなく、団体運営上の手続きにおいては柔軟性をもつべきこと

⑪団体は、その活動において地域社会の現状に即した歩幅を開発すべきこと

⑫団体は、効果的な指導者を育成すべきこと

⑬団体は、地域社会内に力と安定と威信を育成すべきこと

とあります。

組織化説によるコミュニティ・オーガニゼーションは

住民の不満の集約から出発して問題解決を図る組織を形成し、その組織内における合意形成のための運営方式を重視しながら、地域社会の問題解決能力を最大限に引き出すことをプロセス・ゴールとしているという見方があるようです。

ロスマン

注意:こっちは「ロスマン」です。ロスマンは3つです。

①小地域開発モデル

「住民参加を重視しながらコミュニティの組織化を図っていく伝統的なコミュニティ・オーガニゼーションの方法論を展開するもので、人口構成が同質的で目標に対する合意が得られやすいコミュニティにおいて適切に機能する」とあります。

このモデルの目標は「自助とコミュニティの諸集団の全体的調和」とのことです。

②社会計画モデル

「効率的な社会資源の配分により課題達成することを目標とし、それを可能とする計画の立案を基本的機能としている」とあります。

そのため一定の社会資源が存在していても、住民の間でニーズや利害が錯綜しているような状況において有効とのことです。

③ソーシャルアクションモデル

「不利益を被っている住民が組織化を図って発言権や意思決定権を獲得し、社会資源の改善や開発をしたり、また権力機構を変革していく活動」とあります。

これは社会資源の不平等配分などが原因で住民が利害対立し、合意形成を前提とする小地域開発モデルが有効に対応しえない場合に用いられるとのことです。

特に社会福祉士の新カリキュラムでは「ソーシャルアクション」について重要視されます。ソーシャルワーカーの任務にはグローバル定義で確認したように「社会開発や変革」も含まれましたよね。

また企業でもソーシャルアクションが展開されております。

ソーシャルアクション事例集 Hakuhodo DY holdings

https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/csr/social_action/

「ソーシャルワークは越境の時代」と言われているように専門職は専門職にしかできない役割があるはずです。特にゴミ屋敷の問題は末期のがん患者と同じレベルで博士号をもった人が対応する問題とされているようです。

以上がロスマンの3つのモデル論です。

1960年代に入るとアプローチの方法を類型化するものとしていくつか出てくるようになったのですが、その中でも包括的なアプローチとして有名となっております。

コミュニティワーカーについて

コミュニティワーカーの役割

コミュニティワーカーは社会福祉協議会ではよく耳にする言葉だと思います。

それでは最後にコミュニティワーカーの役割を確認していきます。

①実情調査員(fact-finder)

②分析者(analyst)

③計画者(planner)

④相手に刺激を与える者(catalyst)

⑤解説者(interpreter)

⑥教育者(educator)

⑦会議への参加者(conferee)

⑧交渉者(negotiator)

⑨相談相手(cosultant)

⑩管理者(executive)

⑪弁護者(advocator)

⑫支持者(promotor)

⑬社会活動家(social actionist)

⑭闘争的なリーダー(militant leader)

これらはダンハイムという方がレイン報告書の見解を引き継いで規定されたようです。

コミュニティ・オーガニゼーションを「社会資源とニードとの間の効果的な調整を達成し、維持することである」と定義づけました。

他にもまだまだたくさんありますが

以上がコミュニティワークの基本としてまとめさせていただきました。

参考資料:新社会福祉方法原論 硯川眞旬 ミネルヴァ書房

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はコミュニティワーク並びにコミュニティ・オーガニゼーションについて学びました。

ちなみに大阪府では「コミュニティソーシャルワーカー」というものが存在するようです。Wikによれば大阪府独自とのことです。

CSWとは~http://www.pref.osaka.lg.jp/chiikifukushi/csw/

このようにコミュニティワークは重要です。

今後コミュニティワークを展開するに当たって歴史から学ぶことでヒントが得られればと思います。

特にコミュニティワーカーの役割でもあるように

民間企業で重要とされる能力は地域福祉では非常に有効なのです。

それを是非とも多くの方に知ってもらって福祉業界へ関心を少しでも持ってもらえれば幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

こちらも合わせて是非ご覧ください。

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