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今回はグループワークの歴史について学んでいきたいと思います。

それでは確認していきましょう。

グループワークの起源~イギリス

起源

グループワークの起源もケースワーク同様、19世紀後半にあります。

しかしケースワークとは異なり、グループワークは社会福祉分野と社会教育活動のそれぞれの分野に起源があるという点が特徴です。

社会福祉分野では「セツルメント」、社会教育活動の分野では「YMCA」が最初です。

それぞれについて以下確認していきましょう。

セツルメント

セツルメント

スラム街のような地域に住み込んで、教育や各種のクラブ活動、趣味活動を行うことによって地域の人々が自立し、貧困状態から抜け出せるように援助しようとする活動のこと

このようにセツルメントは実際に貧困地区へ住み込んで活動を行うことに特徴があります。

このセツルメント活動は、バーネット夫妻がロンドンのイーストエンド地区にセツルメントハウス「トインビーホール(1884年)」を設立したことが始まりです。大学に通う学生に声をかけたとのことです。

このトインビーホールは3つの目的をもっていました。

①貧民の教育と教養の向上

②貧民の状態と社会改革の緊急の必要性に関する学生とレジデントに対する情報提供

③社会問題、保健問題と福祉立法に関する一般の人々の関心の高揚

このうち①を行うためにグループが活用されたことが、セツルメントがグループワークの起源とされる由縁となります。

YMCA

YMCA

厳しい労働で疲れ果て、道徳的な退廃の危機に晒されている青少年たちにキリスト教精神に基づいてレクリエーションやクラブ活動の機会を提供することによって充実した余暇を過ごさせるようとしたもの

YMCAはウィリアムスが1844年にロンドンで設立しました。

YMCAは「Young Men Christian Association」です。

また1855年にはYMCAと同じ趣旨で、YWCA(Wはwomen)も設立されたとのことです。

セツルメントと同様に厳しい環境にいた人を対象に一緒にクラブ活動等を行うという形で援助しております。

このようにグループワークはセツルメントとYMCAを起源としてイギリスから始まります。

そしてケースワーク同様にグループワークもアメリカに渡って専門職として発展していくのです。

グループワークの起源~アメリカ

起源

アメリカでもセツルメントや青少年団体運動(YMCA等)がグループワークの起源として挙げられます。

ニューヨーク市ではコイト「ネイバーフッド・ギルド(アメリカ初 1886年)」を設立。

シカゴではアダムス「ハルハウス(1889年)」を設立されます。アダムスはノーベル平和賞を受賞するなど女性運動家として果てしない功績を残されております。

リッチモンドが「To People」で、アダムスが「With People」と同じ世代を生きた2人はソーシャルワークの先駆者として歴史に刻まれております。

また1920年代には、イギリスと同様に青少年を対象として余暇活動の機会の提供も行われております。YMCAやボーイスカウト等の多くの青少年活動団体があったとのことです。

専門職としての発展

このようにしてグループワークはアメリカ全土に広がっていきます。

また主な担い手がボランティアであったことから、有給のスタッフを雇用する団体も増えていったとのことです。

しかし当時ソーシャルワークはケースワークのみと考えられていた背景から、グループワークは教育分野のレクリエーションワーカーのためのコースとして存在しており、大学で教える価値はないものとされていたようです。

その後1929年の世界恐慌以降にグループワークは「荒廃した社会から未来を担う青少年をよき市民に健全育成させる方法として脚光を浴びるようになった」とのことで飛躍的に発展します。

そして1936年に全国グループワーク研究協会(NASGW)、1939年にはアメリカグループワーク研究協会(AASGW)、1946年にはアメリカグループワーカー協会(AAGW)と改められるなど、専門職として発展していくのです。

グループワークの多様化

グループワークもケースワーク同様、1960年代の社会状況に対応して多様な展開が進められていきます。

①社会的諸目標モデル

②治療モデル

③相互作用モデル

④ヒューマニズム的モデル

⑤社会的学習モデル

このようにグループワークのもつ様々な有効性が認められ、教育やレクリエーションのみならず、多様な展開がされるようになったとのことです。

まとめ

グループワークは「集団援助技術」とされておりますが、発展を辿ると「教育やクラブ活動、レクリエーション活動」に起源があります。

また日本では竹内愛二が1951年にグループワークを初めて定義しました。

グループワーク定義(竹内愛二)

共通の要求を持つ人々によって形成された集団の組織及び運営によって、各成員の要求を充足するのみならず、集団過程の展開によって成員及び集団全体の向上を成すように、専門の社会事業家が援助することをいう。

これによると共通のニーズを持つ人々がグループワークを通じて、ニーズを充足することのみならず、メンバーとグループ全体の向上を促すことを目標とされたようです。

グループワークは援助技術として

①準備期:グループ形成のための予備段階

②開始期:グループワークを始めるにあたってのオリエンテーション段階

③移行期:グループワークの発達初期段階

④作業期:グループワークの発達中期団塊

⑤終結期:グループワークの発達後期と終結に向けての準備段階

⑥終了後期:グループワークが終了した後のフォローアップ段階

といったプロセス(一般的に4段階だが、コーレイは6段階に分類)やその他基本理論があります。(これについては別の機会に記事にします)

それに加えて、発展の歴史的流れについて知ることで、より深く学ぶことができると感じております。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

平成生まれの私たちこそ、今一度歴史を振り返ることからはじめてみてはいかがでしょうか。

参考文献:新社会福祉方法原論 硯川眞旬 ミネルヴァ書房 第5章:集団援助技術(グループワーク)第12章:ソーシャルワークの生成と発展

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