ハイデガーはドイツの有名な哲学者です。

「存在の意味の問い」について課題とし、人間本来の在り方についても研究された方です。

今回はそのハイデガーについてみていきたいと思います。

◇存在と時間

ハイデガーは代名詞である「存在と時間」を発表し、ドイツ哲学の第一人者となります。

しかしこの「存在と時間」は”前半”とのことで、後半は未刊に終わったそうです。

全体構想は以下になります。

存在と時間の全体構想

◇序論 

存在の意味を問う問いの提示

◇第一部

時間性に向けた現存在の解釈と存在を問う問いの超越論的地平としての時間の解明

・第一編:現存在の準備的な基礎分析

・第二編:現存在と時間性

・第三編:時間と存在(ここから以下未刊)

◇第二部

テンポラリテートを手引きとした存在論の歴史の現象学的な解体の概要

・第一編:カント

・第二編:デカルト

・第三編:アリストテレス

出典:ハイデガー存在の歴史 高田珠樹 講談社P198

※斜体追記

このような全体構想になっているとのことです。

人間を「現存在」とし、存在理解が時間性から構築されるととらえ、それをテンポラリテートと呼びました。また「存在を問うことも存在の一部」と表現されるところはいかにも哲学者らしいと感じました。

ハイデガーは「存在を問う」ことから「本来的な生き方とは何か?」ということを私たちに教えてくれます。それはきっと今を生きる上で大切なことだと感じました。

以下少しだけ学んだことを書いていきたいと思います。

◇世界内存在

ハイデガーは「世界内存在」という概念を打ち出しました。

これは「自分が常に一定の世界の内にいる」ということでさらに

①「世界」、②「存在者」、③「内に在る」

という3つの契機を辿るとのことです。

世界という現象を解き明かす際には「環境世界にまず定位して解明されるべき」とされたようです。

◇被投的な企投

ハイデガーの見方は一般の概念を崩すようなもので、一つに「被投的な企投」と呼ばれるものがあります。

個人が通る一定の道筋や連関、可能性というものは、実は意識の及ぼないところで自分自身が投げかけていた(投げさせられている)という見方です。

◇頽落(たいらく)

自分の存在は他者との区別や関係性の中で意識されます。その中でも他者との関係において自分をみるということは、結局のところ「他者の支配に服従し自分自身を見失う」こととなります。そのような状態を「ひと」と表しました。

「ひと」は「”本来的な自分自身の存在可能性としての自己自身から逃避している”」とし、こういった在り方を「頽落」と呼びました。

◇死への先駆

現存在はさまざまな可能性に開かれています。しかし、死に関して言えば確実な可能性となるのです。日常において人は自己の死に向き合うことなく生活を送っております。これはいわば死から逃避しているとのことです。

ハイデガーはこの死に対し向き合う(先駆)ことで、自分自身がすでに通ってきた在り方に立ち返る(反復)ことができることにつながり、以前から自分が無意識に投げかけていたものを改めて捉えなおすこと(瞬間)になると考えました。

◇運命

ハイデガーは時間性として捉えたものにさらに「歴史性」という視点を加えます。

本来的な時間性のもと「先駆」「反復」「瞬間」のプロセスを通ります。そしてこれまで自分が意識的または無意識的に投げかけていたもの、すなわち「受け継がれてきたさまざまな可能性」を自分を支え担ってくれていたものとして根本的な力として見直します。

それらの根本的な力を受け継ぎ、背負い、自分にとっ偶然そうであった在り方を一種の必然性として転換するとき、現存在は「運命」となると考えたのです。

以上簡単ではありますがここまでとしたいと思います。

◇考察

いかがだったでしょうか。今回ハイデガーに少し触れて感じたことは、「エンパワメントに至るプロセスの一例」という視点です。

最近もある経営者の話で、「自分が死んだときを想像することから始める」という手法がありました。そしてこのままではいけないと再起し、行動に移すという自己開発の方法があります。

また一般にあるような「過去」→「現在」→「未来」の構図は実は完璧ではなく、

もしかしたら「未来」→「過去」→「現在」→「未来」という順番もあるのかもしれないとも感じました。

当然パワーレスに陥っている人に未来の話をいきなり持ち掛けることはしてはいけないと思いますが、「根源的な力」を見直すという視点とそこに至るハイデガーなりのプロセスは何か参考になるのかもしれません。

私たちは当然大統領になりたいと思って誰しもがなれるわけでもなければ、オリンピック選手に誰しもが努力でなれるわけでもありません。

しかし何かのきっかけから、その人なりの存在の意味(運命)を見出したとき、きっと大きなパワーがみなぎってくるのかもしれません。

人生は旅、人は旅人です。

皆さんも本来の自分を見つける旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

参考文献

ハイデガー 存在の歴史 高田珠樹 講談社 第四章 存在と時間

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