本日はハーバーマス(ユルゲン・ハーバーマス)についてです。

ハーバーマスはドイツの哲学者で、コミュニケーション行為の理論を提唱しました。

またその他「実証主義論争」や「解釈学論争」、「システム論論争」、「歴史家論争」などといった論争的(ポレミカル)な姿勢で理論を積み重ねてきたという面も特徴とみられるそうです。

1945年ドイツ敗戦の時、ハーバーマスは15歳でした。略年譜には「物資が欠乏し、飢えと寒さに悩む」と書かれております。またアメリカの「再教育」で「民主主義の理念に感銘を受けた」そうです。

その後学業に専念し、1954年にボン大学で博士号を取得。1955年にはホルクハイマーとアドルノの「啓蒙の弁証法」を読み、翌年にフランクフルト社会研究所でアドルノの研究助手となります。しかしハーバーマスの文献報告や教授取得資格の希望もホルクハイマーの反対を受けることとなり1959年に辞職します。

それでも1963年にフランクフルト大学教授に就任し、ホルクハイマーの講座を継ぐこととなります。そして最終的にはフランクフルト大学の名誉教授とまでなったのです。

ハーバーマスは将来のどんな社会でも利害の対立はなくならないと指摘し、それでも違いをもった人々が相互に意思を疎通し、行為を調整し合うコミュニケーションを強く掲げ理論を築かれたそうです。

それでは簡単に学んだこと(一部)をまとめていきます。

〇全体社会の捉え方について

ハーバーマスは全体社会を2つに分けて考えました。

※ハーバーマスはルーマン(社会システム論)と対立関係

①コミュニケーション的合理性の領域

・文化的な意味や価値の再生産を務めとする

生活世界に基盤をおいている

・社会統合を目指す

②システム合理性の領域

・社会の物質的再生産に貢献する

機能的なサブシステムを基盤(行政や経済)

・社会のシステム統合を志向する

このように全体世界を2つの領域から捉えました。それは②のシステム的合理性の領域ではコミュニケーションではなく、制御メディア(権力やお金)がものをいうことを示しております。

〇コミュニケーション行為

コミュニケーション行為は「戦略行為の対義語」とされております。

・戦略行為

命令などの権力行為を用いて、相手の意思決定に影響を与え、自分の目的を貫徹しようとするもの

・コミュニケーション行為

妥当要求を掲げたうえ、承認を相手にもとめるというもの(納得)

※妥当要求

①自分は真理を表明している(真理性)

②自分は正しい規範に従っている(正当性)

③自分は意図通りのことを誠実に述べている(誠実性)

特にこのコミュニケーション行為は、自分の妥当要求を掲げたうえで他人の批判に耳を傾ける姿勢をもっている点がポイントとのことです。これはソーシャルワークに限らず、大切な視点だと個人的に感じました。

〇コミュニケーション行為の役割

①文化的伝統の継承や更新

②人々の社会的連帯をつくりだす

③個々の人間の「社会化」(社会の中で成長し、自分なりの人格同一性を達成するため)

〇ウェーバー批判(挑戦として)

ウェーバーは「鉄の檻」と表現されたように、近代における合理化の結果(施設や制度、経営があまりにも合理化される)や専門的特殊化と訓練によって、人間が「生きた機械」となることを指摘しております。

そこにハーバーマスは挑戦をしております。

ハーバーマスは最初の全体世界の視点から、「システム的合理化はあくまで近代の一面にすぎず、それと並行して起こっている生活世界の合理化こそ、近代の偉大な達成(尊重)として認め、救い出さなければならない」という主張とのことです。このように生活世界の合理化をシステム的合理化と区別するという積極的戦略をとりました。

しかし一方で「生活世界の植民地化」という言葉で警告もしております。それは、システムが物質的再生産の領域から越境し、文化的再生産の領域に入り込むことを表しております。

また生活世界の植民地化によって、人々の人格形成に影響を与えることを、さらに「内的植民地化」と表しております。

〇生活世界の合理化

ハーバーマスは生活世界をピアジェの発達理論のように動かされているという視点を持ちました。

そしてその終点は「普遍的討議の実現」だとされたのです。

これは「”いかなる強制からも自由な討議が制度的に確立し、人々はより説得的な議論を他の人々に示すことだけを権威として認め、イエスかノーかの態度決定をし、互いに合意するだけでよくなる”」とのことです。

人々は自分たちの討議を通して、規範や価値をつくりだし生きること(内からの超越)を合理化された生活世界の終点として捉えたようです。

※引用・参考文献 ハーバーマス コミュニケーション行為 中岡成文 講談社

以 上

簡単ですがここまでとしたいと思います。

ハーバーマスは「強制や支配のないコミュニケーションによって生み出される合意」による未来を近代化がより一層進む社会の中で捉えていたのかもしれません。

ハーバーマス(1929年~1994年退職)※現在91歳

哲学や社会学等にはさまざまな考え方や理論、また視点や時代背景もあり、これが絶対に正しいということはありません。自身の見分を広げる意味で活用させていただいております。

これから先「ダイバーシティ」と言われる時代に突入します。

「コミュニケーションは人と人との違いから出発する」ということを理解し、多様な文化や考え方を受容し、互いの違いを認め尊重することが大切だと感じております。

最後にまたまた究極の余談ですが、

昨年度子どもと一緒に「シンカリオン」という新幹線ロボットのアニメを観ていました。(一部ネタバレ注意!)

そこには大人から子どもに向けたメッセージがたくさん込められておりました。

それぞれ個性豊かな子どもたちがいて、それぞれの「好きなもの」を知ることで仲良くなれること、そして最終的にはシンカリオンという「みんなに共通する好きなもの」を発見することができたという展開があります。

また最初は人間ではない敵(キトラルザス)が現れるのですが、最終的に主人公のハヤトは「対話の道」を選びます。なので、相手が攻撃してきても相手の剣が折れるまで受け続け、攻撃をしないのです。

そして最初は敵だったキトラルザスが人間世界に入り込み、人間について知る中で、最終的に仲間になるという展開にもなります。

これはもはや「ダイバーシティ」という視点でずっと観ていました。

そこから参考にして、私もまず「その人の好きなことは何か?」という視点をずっと大切にするようになりました。必ずあるハズなのです。そこがとても重要で、光明でもあると感じます。

こんな記事ばかりで恐縮ですが、「Stay hungry, stay foolish」の精神で「継続は力なり」です。

誰か一人にでも何かのヒントになることがあれば幸いです。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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